給水管洗浄・水道管洗浄について
竣工から20年以上が経過した住宅やビルなどでは給水管の劣化により「赤水」が発生することがあります。この「赤水」は配管内の赤錆が水道水に溶け込んだ状態であり、赤錆の成分によって水道水から金臭いにおいがしたり、白い洗濯物に黄ばみが付着する、水中に錆粒が混じるなど、日常の生活はもちろんのこと、飲食店舗等の商業利用にも大きな支障が発生します。
しかしながら劣化した給水管については上記のような問題が一般的に生じているにも関わらず、集合住宅などで定期的な実施が慣例化している排水管清掃などと違い、現在においてもなお「給水管清掃」の必要性は一般には認識されておりません。
給水管と同様に水道水を送水する設備の一部である貯水槽は水道法で年1回以上の清掃が義務付けられておりますが、給水管については定期的な洗浄義務について定めた法令が存在しておらず、建物の所有者にその維持管理が委ねられているため、弊社では貯水槽と同様に定期的な給水管清掃の実施をお奨めしております。
こんなことはありませんか?当てはまる場合は給水管洗浄をお奨めします
- 蛇口から赤茶色や黄色の濁り水が出ることがある。
- 水道水から鉄の味や臭いがすることがある。
- お風呂や洗面器などに水を溜めると黒い粒が入っていることがある。
- トイレの便器の水が溜まる部分に自然と輪染みが出来てしまう。
- 白い洗濯物に黄味がかった色がついてしまう。
- 築20年以上経っているが給水管の洗浄や更新を一度も行ったことがない。
薬品を入れない給水管洗浄(JAB工法)
これまでの給水管洗浄は劇物である過酸化水素水を使用し、希釈した薬液を配管内の錆やスケールに反応させて除去する方法が一般的に行われていましたが、配管内に残留した薬液や洗浄中の誤開栓のリスク、洗浄廃液の処理の問題など作業性や安全面の問題があり、特に多数の使用者が存在する集合住宅では実施が困難であるという大きなデメリットがありました。
弊社では薬品を使用せずに水と空気の力で給水管の内部を洗浄する「JAB工法」によって、従来よりも安全かつ短時間で効果的な給水管洗浄を行っております。Jet Air Bubbleの略称である「JAB工法」は、通水状態の給水管に圧縮空気を打ち込むことで配管内に発生する水流の衝撃や負圧効果などによって給水管内を洗浄する工法です。
特にコンピューター制御のコンプレッサーにより不規則かつ多様なパルスパターンで圧縮空気を給水管内に断続的に打ち込むため、配管内に複雑な水流が発生して柔らかい赤錆やスケールを洗い落とすことで高い洗浄効果を得ることが出来ます。薬品を一切使用しないため、配管のすすぎ洗いが不要で洗浄後もすぐに水道が使用出来ることも大きなメリットです。
給水管洗浄の事例
給水管洗浄作業(JAB工法)
JAB工法の特長の一つは、給水管を通水したまま作業を行うことが出来るため、ほとんどの物件において建物全ての水道を止めずに配管系統や部屋ごとに分けて給水管洗浄を実施することが可能な点です。そのため、集合住宅などの使用に適しており、時間帯を分けて実施することが可能となります。
また、給水管の錆汚れは飲み水に及ぼす影響だけではなく、トイレなどの給水管も錆による閉塞で水が細くなる、赤水によってトイレのボールタップ部品が故障するなどの弊害が発生するため、定期的な給水管清掃が欠かせません。
給水管洗浄作業(過酸化水素水洗浄)
過酸化水素水による洗浄は3%程度の過酸化水素水溶液を30~60分程度給水管に浸漬させることで内部の赤錆やスケールとの化学反応を引き起こし、配管内の汚れを除去します。
給水管の場合は貯水槽の有無や蛇口の数などの作業条件により実施出来ない物件もあり、劇物使用による安全性のリスクはありますが、循環ラインの冷却配管や循環浴槽等には非常に効果的であり、現在も比較的ポピュラーな配管洗浄方法です。
洗浄時は酸素の分解反応で白濁した過酸化水素水とともに錆などの汚れで赤茶色に濁った水が排出されます。