排水管清掃について
建物の給排水設備において排水管が持っている機能は人間の体における静脈そのものであり、排水管のつまりによってトイレや流し台、洗面台などの衛生器具に排水不良が発生すれば、日常生活はもちろんのこと、店舗営業やオフィスなどの商業活動においても大きな支障が及びます。
排水管の清掃に対しては特に法令で定められた義務などはありませんが、正常な排水機能を維持するためには定期的な排水管の洗浄が欠かせません。弊社ではマンション、アパートなどの集合住宅はもちろんのこと、多数の飲食店舗を抱えるショッピングモール、各フロアにオフィステナントが入居している事務所ビルなど、建物の用途を問わず様々な物件で定期的に排水管清掃を実施しております。
推奨される排水管の清掃頻度は、マンションやオフィスビルの場合、年1回以上となりますが、厨房などの調理油を扱う施設では排水に混じった油脂類が配管内で固形化・堆積するため、特に排水管の詰まりを引き起こす原因になりやすく、飲食店やフードコートなどの施設についてはグリストラップ等の厨房設備の清掃と合わせて年2~4回程度の排水管洗浄の実施を推奨しております。事務所と飲食店が併存する複合ビルなど、物件ごとの使用状況に応じて排水器具の種類やフロアごとに清掃頻度を調整するなど、現場の状況に応じて様々な対応が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
排水管の高圧洗浄について
排水管清掃において最も効果的かつ代表的な清掃工法は高圧洗浄です。
流し台などの排水口に直接スネーク状のホース器具を挿入し、ホース先端の洗浄ノズルから斜め後方に向かって高圧の水流を噴射することで排水管内を洗浄ノズルが勢いよく自走しながら配管の内壁を洗浄していきます。
排水管の洗浄時に噴射する水圧は70~200kgf/㎠程度であり、排水管の材質や建物の高さ、配管設備の経過年数等を考慮して適切な圧力に設定し洗浄を行います。
この高圧洗浄工法は最もポピュラーな配管の清掃工法ながら、全ての現場に適用出来る万能な清掃方法ではありません。
なぜなら、高圧洗浄車(または高圧洗浄機)から清掃箇所まで専用の耐圧ホースを延長する必要があるために、清掃可能な範囲に限界があり、引き回したホースによって建物を利用するお客様の動線に物理的に干渉せざるを得ない不便性があるのです。また、排水管が油脂などで完全に閉塞して全く水が流れない状況の場合、水流を噴射しながら洗浄する高圧洗浄工法では更なる溢水を招くために、緊急性の高い現場であっても高圧洗浄を実施できないケースが存在するという欠点があります。
弊社ではそのような高圧洗浄工法の弱点を補うため、ポータブル性に優れており配管閉塞時にも即応可能なワイヤー機材や、配管の内部をモニタリングする内視鏡(ファイバースコープ)、溢れた水を回収するバキューム車両など、現場に応じて様々な機材を組み合わせることで効果的な排水管清掃作業が可能です。
排水管清掃事例
排水管清掃前と清掃後の内視鏡写真
排水管清掃の効果確認として洗浄前後の内視鏡(ファイバースコープ)による撮影もオプションで対応可能です。また、配管の破損の有無、閉塞物の確認など、ファイバースコープを使用した配管調査も承っております。
配管内の異物除去
屋外に敷設された排水管の場合、コンクリート製の排水桝の隙間や配管の継ぎ目などから樹木の根が侵入し、排水管内の水分と養分によって配管内で急速に根が成長し、排水のつまりの原因となるケースがあります。根本的な解決には樹木の侵入箇所を塞ぐ配管工事が必要となりますが、暫定的な応急処置として異物除去の対応なども行っております。