ポンプ点検

ポンプ点検 ー法定点検の義務はないがトラブル回避に必須ー

ポンプ機器は給排水設備において心臓にあたる役割を果たしており、機器故障などによってその機能が停止すれば、たちまち断水や排水不能などのトラブルとなり、日常生活はもちろんのこと商業活動全般にもダイレクトに影響が及びます。

しかしながらそのような重要な設備であるポンプ機器の点検業務は一部を除いて法律等で特に義務化されていないため、任意において定期的な点検とメンテナンスを行い、その状態に応じて適切に修繕を行いながら給排水ポンプ設備を運用していくことが必須となります。

弊社では給水ポンプ、排水ポンプはもちろんのこと、給湯循環ポンプや冷却ポンプなどの産業用ポンプも含めて専門的な点検業務を行っており、劣化状況に応じた修繕対応によって円滑な設備運用のお手伝いをしております。

給排水ポンプの種類について

一概に給水ポンプや排水ポンプといっても、使用する設備によって様々な種類や呼称があります。参考として以下が代表的なものになります。

給水ポンプ

揚水ポンプ
主に高置水槽方式の給水設備に用いられる給水ポンプの呼称であり、受水槽から高置水槽(高架水槽)に揚水する役割を持つ。受水槽内に設置する水中型と受水槽の外に設置する陸上型がある。

加圧給水ポンプ(加圧給水ユニット)
受水槽のみで高置水槽を持たない加圧給水方式の給水設備に用いられる給水ポンプの呼称であり、受水槽から蛇口までの給水末端に直接送水していることから、ポンプ機器と給水管内の水圧を保持する圧力タンクやインバーターなどの制御装置をまとめてパッケージした加圧給水ユニットの形で製品化されているものが主流である。

直結増圧給水ポンプ(直結増圧給水ユニット)
貯水槽を持たない直結増圧給水方式の給水設備に用いられる給水ポンプの呼称であり、水道本管からの水圧に増圧(ブースト)することで単なる直結給水方式では送水できない高層階まで給水を行うことを可能にしている。加圧給水ユニットのように制御装置を含めた増圧給水ユニットとしてパッケージされており、省スペース化を図ったキャビネット型の製品が主流である。

ブースターポンプ(高置水槽用加圧給水ポンプ)
主に高置水槽方式の給水設備において屋上の高置水槽(高架水槽)からの高低差が少ないことに起因する屋上直下の最上階などへの給水圧力が弱い現象を補うために設置される補助的な加圧給水ポンプ。専用の製品は特に存在せず、一般的な加圧給水ユニットや浅井戸ポンプをそのまま高置水槽の下流側に組み込む形で使用するケースがほとんどである。

排水ポンプ

汚水ポンプ
地下にある汚水槽から屋外排水桝などを経由して公共下水管に排水を圧送するポンプ。水中型のポンプが主流であり、槽内の異物など固形物に強い機種が用いられる。駅舎など不特定多数がトイレを使用する物件の汚水槽などはカッター付きの機種を使用する場合もある。水槽内の水位に応じてポンプを起動・停止する制御装置を組み込んだタイプも存在する。

雑排水ポンプ
地下にある雑排水槽から屋外排水桝などを経由して公共下水管に排水を圧送するポンプ。厨房排水などが流入している雑排水槽などでは固形化した油脂が発生するため、汚水ポンプと同様に固形物にある程度強い性能が求められる。

汚水雑排水ポンプ
地下にある汚水雑排水槽(合併槽)から屋外排水桝などを経由して公共下水管に排水を圧送するポンプ。汚水槽と同様に異物の流入が多く、現場によっては厨房排水も流入しているため、汚水ポンプと同等に水中の固形物に強い機種が使用される。

湧水ポンプ
地下にある湧水槽から屋外排水桝などを経由して公共下水管に湧水を圧送するポンプ。地下水である湧水はほぼ清水に近い性状のため、異物の排出性能は特に要求されておらず様々な機種が用いられている。

雨水ポンプ
地下にある雨水槽から屋外排水桝などを経由して公共下水管に雨水を圧送するポンプ。雨水に含まれる塵芥や土砂によって槽内に泥が堆積するため、多少の異物排出性能を求められる場合もある。

浄化槽排水ポンプ(放流ポンプ)
浄化槽の処理水を雨水管などに排出して河川などの公共水域に放流するポンプ。浄化槽の処理水のみを排水しているため、異物排出や高揚程などの排水性能を持たない機種がほとんどである。

その他のポンプ

給湯循環ポンプ
貯湯槽とボイラーなどによって構成される中央循環式の給湯設備に用いられるポンプ。耐熱性のある循環型のラインポンプが用いられることが多い。

冷却水ポンプ
主にビルなどの中央式空調システム(セントラル空調)において使用する冷却塔(クーリングタワー)に冷却水を圧送するポンプ。相応の出力を備えた陸上型ポンプが使用されている場合が多い。

直結増圧給水ポンプ点検(精密点検)

直結増圧給水ポンプ(直結増圧給水ユニット)は給水ポンプの中では比較的歴史が浅く、水道管の水圧では送水できない高層階を有する建物において給水圧力をインバーター制御されたポンプによって増圧してダイレクトに給水末端まで送水するポンプ機器です。

この直結増圧給水ポンプは水道管に直結していながら水道管より高い水圧を建物の給水系統に保持する機能を持つことから、水道本管への逆流を防止するためにポンプの1次側に逆流防止装置を備えていることが大きな特徴であり、受水槽から同様に給水末端に送水している加圧給水ポンプ(加圧給水ユニット)との大きな違いとなります。

中でも東京都では条例によって全ての直結増圧給水ポンプ(増圧給水設備)について上記の逆流防止装置の機能点検(精密点検)を含んだ定期点検を年1回以上行うことを義務化しています。(東京都給水条例施行規程第8条の2)。

尚、弊社では都条例による増圧給水ポンプの精密点検だけではなく、全ての給排水ポンプについても設備保全上の観点から年2回以上の定期点検を推奨しております。

ポンプ点検事例

直結増圧給水ポンプ(直結増圧給水ユニット)点検
排水ポンプ点検
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