グリストラップとは
グリストラップ(グリーストラップ)は主に飲食店の厨房やスーパーマーケットの調理場など、調理油や食品くずなどを多く含んだ排水が排出される施設に設置されており、配管閉塞や環境負荷の増大原因となる排水中の油脂成分や残渣物を分離・回収するために設置された排水設備(除害施設)で「グリース阻集器」とも呼ばれます。
グリストラップの設置は、「下水道法」「水質汚濁防止法」「建築基準法」で定められており、「下水道法」第十二条では「政令で定める基準に従い、~(中略)~除害施設を設置し、必要な措置をしなければならない旨を定めることができる」としています。また、東京都においては下水道条例でもグリストラップの設置と定期的な清掃義務が定められています。
グリストラップは基本的に3槽に分かれた構造となっており、1槽目のバスケット(ゴミ受けカゴ)で排水中の生ゴミなどの固形物を回収し、2槽目で排水中の油脂を浮上回収し、細かい残渣物を沈殿分離させます。そして浮上した油分と沈殿物を分離した中間層の水分のみを3槽目のトラップ管から下流側に排出する構造となっています。
そのため、グリストラップ内部で分離・回収された生ゴミや油脂分は定期的な清掃により除去する必要があります。グリストラップに堆積した汚れを放置すると、そのまま悪臭や害虫の発生源となり、衛生面の問題が発生するだけではなく、グリストラップ本体が排水不良を起こして上流側に水が溢れ出すなどのトラブルに発展します。グリストラップを正常に機能させるためには適切な頻度での清掃が欠かせません。
グリストラップの清掃頻度について
グリストラップに堆積する汚れの状態は排水中に含まれている油分や食品残渣の量により大きく左右されますが、基本的に日常的な清掃が必要な設備となります。
日常的なグリストラップの清掃頻度
- バスケット(ゴミ受けカゴ)の清掃・・・・毎日1回
- 浮上して固形化した油脂分の除去・・・・・毎日1回
- 沈殿してそこに溜まった残渣物の除去・・・1週間に1回
- トラップ管の清掃・・・・・・・・・・・・2~3ヶ月に1回
原則としては日常的な清掃作業のルーティンに組み込んで上記の頻度で清掃を行いながら、定期的に弊社のような専門業者にてバキューム清掃を行うことが最も望ましい設備運用となります。
弊社によるグリストラップ清掃と日常的な清掃との最も大きな違いは、グリストラップ内の汚泥や沈殿物をバキューム機器で全て吸引・回収することにあります。日常清掃の範囲では除去しきることが難しい沈殿物や残渣物もまとめて清掃可能です。
通常は2ヶ月に1回程度の頻度でのバキューム清掃をお奨めしておりますが、特に一日に提供する食事数が多い施設の厨房や、揚げ物など油を多量に使用する飲食店などでは毎月1~2回の頻度でのバキューム清掃をお奨めしています。
専門業者による清掃頻度を増やすことは、厨房内の衛生管理面の向上はもちろんのこと、スタッフ様の負担軽減にもつながります。また、オプションとして配管のつまりが非常に発生しやすいグリストラップ下流側の排水管高圧洗浄も行っております。こちらは1年に2~3回程度の頻度にて清掃をお奨めしておりますので、合わせてご検討下さい。
グリストラップの清掃事例
ホテル施設のグリストラップ清掃
グリストラップ内部に堆積した浮上油脂(スカム)はもちろんのこと、底部に沈殿した汚泥(スラッジ)もバキューム機器によりまとめて吸引除去します。清掃により回収した排水や汚泥は産業廃棄物として処分致します。
飲食店のグリストラップ清掃
設置条件により通常よりも底が浅い構造の浅型のグリストラップは油脂分離機能が弱く、流出した油脂により排水管が詰まり易い傾向にあります。弊社では排水管の高圧洗浄清掃もオプション対応しておりますので、配管の詰まりが頻発する物件の場合はご依頼の際にご相談ください。